番組で何度もお伝えしてきた、高級腕時計のシェアサービス「トケマッチ」の問題で、警視庁は6日に元代表の男を指名手配しました。男は広告塔として、積極的にテレビ番組などに出ていました。
■男は…礼儀正しく、フレンドリーな人物
時計を1本預けた男性（30代）
「ドバイに逃げているというのが、明らかにおかしいです。本来であれば謝らなければいけないし、時計を返しますという電話なり何なりするべきじゃないですか」
1月末に運営会社がサービス終了と解散を一方的に告知してから、およそ1カ月。元代表・小湊敬済こと福原敬済容疑者（42）は、客から預かったロレックス1本を65万円で売却した業務上横領の疑いが持たれています。
時計を1本預けた男性（30代）
「今のところ、私のやつ（腕時計）は見つかってないです。時計を返してもらうのが大きな目的です。自分の時計というか、皆の時計を探したい気持ちが強いです」
男は周囲から礼儀正しく、フレンドリーな人物だと受け止められていたといいます。
自身の会社ホームページで、腕を組む姿で顔写真をアップしていただけでなく、テレビ番組や雑誌にも登場。時計のシェアリングサービスを自らが広告塔になって、アピールしていました。
テレビ番組での発言から
「一般的なシェアリングサービスの仕組みでは、レンタルされなければ（お金は）入ってこない。弊社がお預かりする形の対価として使用料を支払っている」
■約70本売却で1億円分被害…氷山の一角
トケマッチはロレックスやオメガなど高級腕時計をオーナーから預かり、その時計を貸し出すというサービス。手数料として月額預託料が振り込まれるシステムです。
2021年1月からサービスを開始し、去年8月までに預かった時計は1500本に上るといいます さらに、去年秋以降にキャンペーンを行い、利用者をさらに増やしていたとみられます。
警察は、5日時点で全国13都府県で44件の被害届を受理。およそ70本がすでに売却されてしまい、1億円分の被害が確認されていますが、氷山の一角のようです。
■突然サービス終了 同時期に…ドバイへ
被害者の会には、200人ほどが集まっています。総額7000万円分の高級腕時計を貸し出し、まだ28本が返ってきていない男性は…。
時計を45本預けたバイヤーの男性（30代）
「200人の情報を合わせてみると、怪しさしかないですね。（被害金額は）今、19億円で866本です」
サービス終了時、こう説明していたトケマッチ。
「トケマッチ」サービス終了時の説明文
「ご返却につきましては本日より6カ月を目安として発送手配いたしますが、ご返却が難しい場合、損害賠償の金額をお支払いさせていただきます」
しかし、同じ時期、捜査関係者によりますと、福原容疑者は成田空港からアラブ首長国連邦のドバイへ出国していたことが分かりました。
さらに本社が入る大阪市内のマンションでは、棚やショーケースを運び出す人の姿が目撃されていました。
■逮捕は可能？ 元刑事「強い期待を」
腕時計は返却されるどころか、国内のオークションサイトに少なくとも20本以上が出品されているとみられることも発覚しました。
時計を1本預けた男性（30代）
「全部が全部売られていることはないのかなというのは思っていて。どこか倉庫にあるのか隠されているのか、分からないのですけど。一番大事なのは時計が戻ってくること」
警視庁は今後、福原容疑者を国際指名手配をする方針ですが、アラブ首長国連邦とは容疑者の引き渡し条約がありません。
福原容疑者を逮捕することは可能なのでしょうか。
元埼玉県警刑事 佐々木成三さん
「引き渡し条約のない国から、その国の法律にのっとって強制送還を受けて、日本の領区の入ったところで逮捕するということは実際できているので、日本の国から政府機関という高い外交ルート、もしくは国際警察機構から捜査協力の依頼を受けて、被疑者の引き渡し条約がないからといっても、捜査協力というのはしていただけるというのは、僕は強い期待を持っていますけどね」
（「グッド！モーニング」2024年3月7日放送分より）
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp